かつてのエントリーから丸3年を経過し、我ながら執念だなぁ、と思いつつ、粛々とリード合わせに腐心する日々がやってきた。
遂に、あの日あの時の本懐を遂げる機会が訪れた。
曽我兄弟か安寿と厨子王か、はたまた「クオレ」のマルコか、ともかくもこれを逃しては今後まずお目には描かれまいと直感した。
とある楽器店のwebサイトに、その姿を見た“Berg Larsen 110M/3”。
しかもメタル。
本当に悪いけど”清水の舞台から”、なんてもんじゃない。
敢えて申せば”京○プラザ47階からオヤジを涅槃で待つ”位の意気込みで(ヲイヲイ)あった事は否定し得ない。
ようやく、手元に、やって来た。
(なんで[3]なのか?は過去ログも見てね)
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近年Larsenの再評価が進んだのか人気が高まり、ヤフオクもe-bayもメルカリでさえも問わず中古市場での相場が非常に高騰している。
それも“レジェンド”ソニー・ロリンズ御用達の[2]チェンバーのみならず、“いわゆるLarsenっぽさ”満載の[1]チェンバー、レニー・ピケット御用達ベイエリア系ブリブリサウンドの[0]チェンバー、レア度No.1の[3]チェンバー、全てのラインアップにおいて、だ。
思いつくだけの乏しい知識の中で、ではあるが、設計は違えど同一ブランドの同一モデルでこれだけ豊富なバリエーション(メタルかハードラバーか、もあればそれぞれにフェイシングも2種類選べる訳だから)を持つ例は、おそらく他に類を見ない。
(「いわゆるアレ」的に狙ったサウンドを手に入れる向きだけでなく、色々迷った挙句に辿りつく、テナーマウスピース業界の止まり木的ポジションになっているのではないか、と、これは流石に深読みし過ぎか?)
云ってみればLinkのクローンおよび遺伝子を受け継ぐものはメタル、ハードラバーそれぞれにかなりの数があって、それこそ「Linkかそれ以外か」的価値観は正直テナーマンの中にはある。
圧倒的なマジョリティと云っても良い、と思うのは間違いなく大多数だろう。
しかし、一方で、どこを探しても基本”Link系”にぶち当たり、他に無いサウンドを求めてたりすると、アルト以上に選択肢が少ないのも事実だ。
敢えて云うなら、Link系の他はざっくり分ければ「ジョー・ヘンダーソン的ソロイスト系」、「マイケル・ブレッカー的ハイバッフル系」、それにLarsen派、とせいぜいここまでだろう。
それだけテナーサウンド=Linkと云う図式が出来ており、現在のテナーマンはその中で日々研鑽を積みそれぞれの音を磨き上げている。
Linkの場合でも、メタルかハードラバーかでバリエーションもあるし、古いものと新しいものではサウンドが随分違ってくるけれども、リスペクト系や遺伝子系まで含めればその勢力図は世界的に圧倒的で、Larsenなんてもう箸にも棒にも引っかからない。
おまけにLarsen系の遺伝子系、って、中々無い。
だから畢竟中古市場が盛り上がらざるを得ない。
だから、もう、出会ったら即、みたいな流れは止められる訳が無い。
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しかも、だ。
前述のwebサイトでは、かなりの期間に渡って掲載されており、気がついてからでも1年近くは経過していただろう。
その上、こちら側で数ヶ月間幾つかのトラブルやハードルを乗り越えた後でも、未だ、残っていた。
これはもう”待っててくれた”と勘違いしても良いレベルだろう。
正直、全く余裕の無い中ではあったが、可能な限り優先順位を上げ、様々な手を講じ、遂に意を決して”ポチッとな”とビックリドッキリ発動してしまった。
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これまでは同じくLarsenの105M/2 ハードラバーを3年弱に渡り使っていた。
勿論スペック上はティップオープニングが0.005インチ(約0.13ミリ)広がっていて、ティンバーも広くなった訳なので、これまで以上に息が必要になる訳なんだが、おそらく両者とも本来の精度が出ている状態ではなかろうし、個体差からは逃れられない。
それにハードラバーの場合、普通は素材の問題があってメタルよりは大振りに作らざるを得ないから、同じオープニングでもメタルの方が小さく感じる訳だ。
逆に素材と加工の都合上、内部は小さく作らなければならないのでチェンバーサイズは独特なものになる。
実は以前に一度だけ、110M/3メタルと105M/2ハードラバーを比較した事があり、その時点でほぼ違和感なく吹けた。
あの印象があればこそ、の執念だったが、今回の個体に関しては正直その時のものよりもキツい。
本体の形はメタルだから、ハードラバーに比べれば圧倒的に細い。
だがハードラバーに比べ、幾分口を縦により大きく開ける必要があった。
ガッツリ息が持っていかれる為、リードのマッチングが未だつかめずにいる。
歳を取ってブレスの初速が落ちてる処もあり、105M/2ハードラバーで使っていたVandoren Java RED-CUT #3では少々抵抗があり過ぎる気もして、サウンドも含めて現在模索中だ。
この個体に関しては、重みのあるリードで芯の太い処を目指す、と云うよりは、ブライトなリードで軽めに鳴らし、ボディのレゾナンスを引き出す方向に持っていくのが良いのか、とも感じている。
レスポンスは流石にメタルだけあってこれまでのハードラバーよりも数段速い。
特に低域のレスポンスは素早く、調整がヘタった楽器でも最低音までブリッと出るのが嬉しい。
(これはハードラバーのフェイシングがヘタってきたか、リフェイスの後で無条件に刻印が入る事で有名な”○チューン”+R加工が落ちてきたか、なのだろう)
ではあるがチェンバーは流石にハードラバーの[2]よりもデカく作ってあるので、Larsenっぽくないボフッとした太いニュアンスが出ていて成程と思う。
サウンドは現状、正直立つ音と云うよりは太く大らかなボンヨヨヨンとした印象で、エッジーなブリブリのソロを取れる、と云うものではない。
だからLarsenだから、と云って、みんなブリブリいう訳では無い、と云うことだから、よいこのみんなは[1]チェンバーだけ買って、他の値段は上げないでね。
使うリードにもよるのだが、エレクトリックなサウンドの中ではやはりTheo Wanneのハイバッフルものが立ってくる。
但し、Larsenの汗臭さが抑えられ、かといってLinkのおっさん臭さもない、ちょっと他にない感じがして面白いっちゃー面白い。
ジャジーなサウンドのニーズにはこれ1本で応えていけそうだ。
今回リガチャーもあれこれ試していて、良い候補は見つかった。
中々Larsen党員が周囲にいない中、強力なウェポンになる事は間違いない。
充分オッサンになってはしまったが、王道Linkサウンドが様になるまではもう少しあがいて色々試してみたいし、一時心が揺らいだ(揺らいだままではあるが)Vandoren V16 Metal Mediumに移行するにしろ、今のLarsenでの試行錯誤を踏まえなければ、新しいサウンドすら身につかないだろう。
ここから先の試金石、それ位の覚悟を持って臨む、新しい相棒の到着を心から嬉しく思う今日この頃だ。
そう、リードを買いに行かなければ。
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